自分では一生懸命に考えてはいるつもりだけど、
- どこかありきたりな質問しかできない
- ものごとを単純にとらえすぎていると言われる
- 考えが浅いと感じている
- 人に言われると、自分でもそう思っていたとよく思う
ということが多くありませんか?
その悩みは、頭が悪いわけでもセンスがないわけでもなく、ただ単に考え方を知らないだけかもしれません。
管理人もそうでしたが、『知的複眼思考』という本を読んでからは考えに幅と深さが出るようになりました。
KTK(高速大量回転)法の実践家デビっちんです。
KTK(高速大量回転)法についてお伝えしている記事はこちらです。
本を読んだ感想をシェアする場で、人と同じ部分がたくさんあると共感できます。
一方で、自分が気にも止めなかった部分をピックアップする人がいて、その内容に感銘を受けることが多々ありました。
どうして同じ本を読んでいるのに、そんな感想を持てるのだろう?
今回、人とは違った部分に目をつけるためのヒントを提供してくれている『知的複眼思考』という本についての感想をお伝えします。
興味があれば、是非チェックしてみてください!
【知的複眼思考】って、こんな本です。
著者は東大の教授で、大学の講義で知識のみを教えることに疑問を持ち、知識そのものものの価値よりも、知識を受け取る過程で学んでいくことの方が重要であると考えたのが『知的複眼思考』を記載したきっかけの1つとのことです。
ありきたりの常識や紋切り型の考えかたにとらわれずに、ものごとを考えていく方法-私はそれを「知的複眼思考」と名づけたいと思います。
出典:『知的複眼思考』P.27
複眼思考とは、ものごとを単純にひとつの側面から見るのではなく、その複雑さを考慮に入れて、複数の側面から見ることで、当たりまえの「常識」に飲み込まれない思考のしかたです。
出典:『知的複眼思考』P.182
この本を読むだけで、すぐに人と違ったアイデアや考えが生まれるといったハウツー本ではありません。
しかし、以下の読み取る力を確認し、それらをもとに、ひとつの視点ではなく、複数の視点を行き来する考え方が身につくような感じです。
- 情報を正確に読み取る力
- ものごとの論理の筋道を追う力
- 受け取った情報をもとに自分の論理をきちんと組み立てられる力
正直、最初は読んでても堅苦しい本だなーと感じていました。
しかし、何度もくり返し読んで実践していった結果、読む前の自分はなんと薄っぺらい人間だったんだなーと感じるようになりました。
自分が文章を書くようになってからは、頭の中をこんなにもわかりやすく言語ができるのか!と打ちのめされもしました。
冒頭でお伝えしたように、自分では一生懸命に考えてはいるつもりだけど、
- どこかありきたりな質問しかできない
- ものごとを単純にとらえすぎていると言われる
- 考えが浅いと感じている
- 人に言われると、自分でもそう思っていたとよく思う
デビっちんもよく言われていました。
今思うと、物事を複雑に考えすぎる反動から単純に考える癖があったので薄っぺらい考えになっていました。
しかし、『知的複眼思考』という本を読んでからは、
- 考えが深いね
- 独特な目線だね
- 人と違うところ見てるね
と言われることが多くなりました。
複雑に考える、考え方が間違っていたんですね。
本書中には、批判的に読むチェックリスト20のように、考えるためのたくさんの方法がありましたが、その中でも、実践して効果の高かったもの3つに絞って今回紹介します。
【知的複眼思考】感銘を受けて行動が変わった3つの表現
疑問から問いへの展開
疑問を持ったからといって、それがただちに考えることにつながるかというと、そうではありません。「どうしてだろう」「なぜだろう」といった疑問を感じても、そのままにしておいたのでは、考えることにつながらないからです。
出典:『知的複眼思考』P.178
恥ずかしい話ですが、デビっちんは、疑問と問いの区別がそもそもアヤフヤだったことにも気づかされました。
- 疑問:感じるだけで終わる場合が多い
- 問い:自分でその答えを探し出そうという行動につながる
疑問を持てば、脳が答えを探すために勝手に動きだす、と思っていましたが、問いに変えないといけないことに気がつきました。
答えがうまく見つかるとときと、そうでないときの差は、問いにするかどうかでした。
それからは、疑問に感じたら問いにすることを意識するようになりました。
疑問は疑問のまま
問いに変えることで答えが見つかる!
問いの展開の仕方、著者の前提を探り出し疑うこと
第1章で紹介される、批判的な読書をするチェックポイント20の中から、著者が厳選した4つの確認点の1つです。
- 著者を簡単に信用しないこと
- 著者のねらいをつかむこと
- 論理を丹念に追うこと、根拠を疑うこと
- 著者の前提を探り出し、疑うこと
この4つの中でも、特に有益だと感じたのが最後の項目にある、
著者の前提を探り出し、疑うこと
著者が持っている背景だからこそ言えることもあるのです。
例えば、
結婚して一人の女性を伴侶として得た男性は、独身男性に比べて生殖という面で成功である。
それって一夫一婦制が前提で、一夫多妻制だったら?
とかそんな感じです。
こんなの当たり前と思うかもしれませんが、翻訳本とか洋書そのものを読むときは著者のバックグラウンドの知識が圧倒的に足りていません。
西洋の著者はほとんどといっていいほどキリスト教の価値観に沿っています。
なので、翻訳されたビジネス書や論文をよく読む人は、宗教に興味がなくても、ある程度キリスト教の価値観を知っておくと得るものが多くなります。
日本人の著者でも同じで、裏表紙やカバー裏のプロフィールは必ず読んで、著者の前提を疑う予備知識を持つようになりました。
ものごとを2面性(以上)に分解して考える
いったん立ち止まって、もう一度、ひとつの問いを二つに分けてみるということをしてみてください。ポイントは、ものごとを構成している二つ(以上)の要素に目を向けることです。二つの側面を持つ現象であれば、それぞれを問題にする視点を得ることによって、ひとつの対象だけを見ていたときとは違う新しい問いを発見できるはずです。
出典:『知的複眼思考』P.277
複眼的に見ていく最初のトリガーは、ものごとを2面性(以上)に分解して考えることです。
問いの要素を2つ(それ以上)に分解する。
これをやるだけでも効果は抜群です。
たった1つ、これをやるようにしただけで深い問いにすることができるようになりました。
例えば、本を速読できるようにするには?を考えてみましょう。
一つは、著者が書く文章のレベルは?
一つは、読者の読解力は?
速読できるかどうかは、この2つの問いの合成です。
実際に自分の抱えている問題を考えるときには、そのことひとつに目が行ってしまい、対象としていることがら二つ(以上)の要素の相互作用の関係によってできあがっていることを忘れがちになるもです。
出典:『知的複眼思考』P.277
背後には複雑な要因の関係があることを見過ごしてしまいやすいんですねー。
まずは2つに分解して、慣れてきたら2つを3つに、分解した2つをさらに2つに分解していくようにすると、キレもコクも増した問いを立てることができるようになります。
まずは1つの問いを2つに分けてみよう!
おわりに | 3章だけでも読んでみてください
今回のレビューでは、ネタバレになってしまうので紹介しませんでしたが、
3章がメインになっている
「問いの立てかたとは展開のしかた」
ここを読むだけでも本代の元をとれると強く感じています。
なぜなら、現代の多くの人が問題解決の能力ばかりを高めているからです。
実際、知的複眼思考の著者は東大で教授をしていますが、東大生でさえ問いを上手に立てる人は稀と記載がありました。
受験勉強に精を出して東大に入学してきた学生たちは、なるほど勉強熱心ではあるし、飲み込みも早い。答えの探し方も得意である。だが、自ら問いを探したり、それを上手に表現することになると、発想の硬さが目につくのである。
出典:『知的複眼思考』P.372
問題処理速度では到底勝てないなら、問いの立て方で活路を見出していきましょう。
その強力な道具が『知的複眼思考』です。
また、ネットの情報は玉石混交かもですが、時間をかければ答えは見つかります。
一方で、問いの立てかたを教えてくれる場所は少ないです。
問いの立て方を学んで、考えかたに差をつけましょう!
考え方を学びたい人は、こちらのレビュー記事もチェックしてみてください!
それでは今回はこのへんで。
デビっちんでした♪