裏の高速大量回転法

KTK(高速大量回転)法のやり方、習得へのヒント、読んだ本を中心に発信していきます

発酵道【感想・レビュー】~競争よりも共生~

発酵道【感想・レビュー】

『発酵道』という本の感想・レビューをお伝えします。

 

「勝つためにやっているのに上手くいかない」

「競争社会の中での生き方を見直したい」

「もっと自分らしさを活かした生き方をしたい」

  

 と感じてはいないでしょうか?

 

もしそう感じていたら、生き方を見直すヒントが得られるのが今回記事にした本です。

 

 

KTK(高速大量回転)法の実践家デビっちんです。

年間200冊以上の本を読んでいます。

今まで読んだ本はこちら

https://bookmeter.com/users/435306

  

酒蔵の主人である著者が競争社会を生き抜く挑戦の中で体調を崩したことをきっかけに、日本酒本来の製造過程にある「発酵」を現実の社会にも適用して酒蔵の経営が回復する物語を通じて、資本主義では当たり前となっている「競争」を回避して成功する考え方を学べる本です。

 

この本の大きなエッセンスは、

 

「愛と調和」で成り立つ微生物の世界のように発酵しながら生きれば、争わなくても生かされる

 

ということです。

 

興味があればチェックしてみてください! 

 

 

【発酵道】ってこんな本です。

日本酒の蔵元に婿入りした著者が酒蔵の経営再建の中、何をやっても上手く行かず事もあろうに体調まで崩してしまいます。なんと、腸の一部が腐ってしまっていたのです。その不幸とも言えるイベントを経て、体調が悪くなった要因を振り返り、それが経営にも影響を及ぼしていたことに気づく物語でした。

 

これまでの生き方や考え方そのものが、行き詰まってしまった原因なのだと気づいたのである。私自身の反自然的な行為や不調和の積み重ねが、「腐る」という事態を招いたのだ。だから、破綻した。だから、道からはずれた。

「いかに自然との関わり方を見直すか」

 

出典:『発酵道』P.47  著:寺田 啓佐

 

どん底の中で見えてきたのが自然の法則の素晴らしさで、それが本書のタイトルにもなっている「発酵道」です。

 

本書で解説されていますが、実は「腐る」のも「発酵」するのも、微生物の力によって物質が変化する、という同じプロセスだったのです。

  • 人間にとって有害なものであれば腐敗
  • 人間にとって有益なものであれば発酵

人間の主観によって両者は区別されますが、本書では「腐る」か「発酵」するかの違いは「調和」しているかどうか、と区別されていました。具体的には、昔ながらの日本酒の製造工程の中で、多種多様な微生物たちが次から次へとバトンタッチをしながら、思う存分働いてくれていることで、良い循環が生じている内容が解説されていました。

 

本来の日本酒は、この「発酵」の力によって造れられていて、その考えを人間界に当てはめたところ体調も経営も徐々に上手くいくようになっていったのです。そのプロセスと考え方について、著者の体調面と蔵元の経営面がリンクしていたのが興味深かったです。

 

ここまでの感じだと「発酵」を通した人間の生き方という哲学的で少し硬めの内容と思われるかもしれませんが、日本酒の蔵元のお話しなので、日本酒の種類や製造工程もわかりやすく解説されています。日本酒はもちろんお酒に興味がある人は十分楽しめる内容ですし、興味がない人も雑学的に知っておくとお酒の席での楽しみが増えるんじゃないかなーと思います。

 

この本を読んで、デビっちん日本酒を以前より飲むようになり人生の選択肢が広がりました。日本酒を飲むと自然と『発酵道』の内容を思い出すようにもなったので、相互に良い循環が生まれてきているように感じます。

 

個人的には、「鍋島」ってお酒が好きです^^

(本書で紹介されている日本酒ではないです。ゴメンナサイ。)

   

それでは全体の概要はこのくらいにして、いつものように本文中から気づきを得た3つの表現を紹介します。

 

【発酵道】感銘を受けて行動や考えが変わった3つの表現 

自分中心の考えは腐敗を招く

自分のもの、自分のお金、自分の会社、自分の功績……、「自分の、自分の」という我意識は、腐敗を招いてしまう。

 

出典:『発酵道』P.53  著:寺田 啓佐 

発酵している意識というのは、本来の自分、本来の自分の意識を言うのだろう。一人一人の心の奥にある、純粋な意識のことを。

「自分の利益や欲を捨てたときに、人間は救われる」

 

出典:『発酵道』P.53  著:寺田 啓佐

 

この部分を読んでから意識して募金をするようになりました。

 

今まで募金は裕福な人がするものと思っていましたが、考え方が変わりました。以前は、自分が満たされていないのに何故他の人を満たす必要があるのか?と考えていたんですが、これって自分中心の考えそのものだと気づいたんです。

 

このまま行くと腐敗まっしぐらじゃん><;

 

流石にすべての利益や欲を捨てることはできませんが、今までは見向きもしなかった「募金」とい文字に気づいたときには、積極的に小銭を入れるようになりました。 

 

自分中心の考えだと溜め込むことになり、それが腐敗につながるんだと思います。であれば、とるべき行動は循環で、行き着く場所が調和なのかなーと。

 

自分中心の考えを捨て去るためにできることは?

 

発酵のための環境に影響を与える「言葉」と「意識」 

発酵のための環境を整えるには、もっと大きな影響を及ぼすものがある。それは人間の「言葉」や「意識」である。本当のところ、私はこれがいちばん大事だと思っている。不思議なことだが、プラスの言葉を使ったりプラスの意識をもつのと、マイナスの言葉を使ったり、マイナスの意識をもつのでは、場というか環境はいかようにでも変わっていく。

 

出典:『発酵道』P.97  著:寺田 啓佐

 

本書では酒蔵の環境についての説明が中心となっていますが、蔵元の経営と著者の体調がリンクしていることを考えると、美味しい日本酒を作るためにプラスの言葉を使うようになったことが、自身の体調回復にもより効果を及ぼしていたのではないか、と感じたました。

 

以下の本では、プラスの言葉とマイナスの言葉で水の結晶の構造が実際に変わっていることがわかる写真が紹介されています。

 

 

以前に増してプラスの言葉を使うようになりました。なぜなら、人体の構成要素の大部分は水だからです。よくよく考えてみると、自分が発する「言葉」を一番聞いているのは、自分自身なんですよねー。

 

プラスの言葉は、「嬉しい」「楽しい」等のポジティブな感じの言葉です。

反対に、マイナスの言葉は、「バカ野郎」「どうせ自分なんか」等の言葉です。

 

その体調の悪さ、自分が発している言葉に原因はないだろうか?

 

微生物から教えてもらった「快法則」

心身のバランスを快く調整すれば、「快」がもたらす自然治癒力によって病気は治る。「生命の快法則」が紹介されていました。

 

その内容は、  

  1. 「自分らしく」
  2. 「楽しく」
  3. 「仲よく」

 

該当部分を引用して個別に見ていきます。

【自分らしく】

自分を好きになって、自分のために生きるということだ。これは、我欲とは違う。まわりと調和しながら、自分のために生きるというのがポイントなのだ。

 

出典:『発酵道』P.163  著:寺田 啓佐

 

「調和」というと周囲に合わせなきゃというイメージがあるかもですが、自己犠牲から入ると自分を好きになりにくくなっちゃうと思います。まずは自分のためになることが前提で、その上で、相手のため、まわりのためになるように設計することが大事だと感じました。

 

【楽しく】

自分が信じたこと、心から好きなことを、楽しんでいくことだ。

 

出典:『発酵道』P.164  著:寺田 啓佐

 

人のために楽しんでなんでもできるようになったら、最強ですね。

 

【仲よく】

なによりも争わないこと。そのためには勝たないことだ。

 

出典:『発酵道』P.164  著:寺田 啓佐

 

微生物の世界では、自分一人で前に出ていくことはなく、自分の出番が来るまでじっと待っているとのこと。そこには競争はなく、お互いに助け合い、支え合う世界があるようです。

 

自分らしく、楽しく、仲よく、で病気もなくなる?

 

おわりに

今回ご紹介した『発酵道』は、微生物の「調和」をテーマに、同じ生物である人間も同様にすることで競争を必要としない共生の世界を享受できる内容の本です。

 

今、仕事も家庭も上手く行っていないとしたら、「腐敗」する環境になっているかもしれません。言葉を変えると、自分本位になって「オレがオレが」の世界に入り、「調和」しにくい環境で生活を余儀なくされているのかもしれません。

 

そんな人は、自分のためになることが、相手、さらには周囲のためになるように意識していくことを心がけていくことで関係する人みんなが嬉しく楽しい共生の世界で生きれることにつながります。その考え方のヒントは本書に記載されています。

 

人間に対象を絞った科学的な研究でも、最初に与える人が最も大きなリターンを得ることが結論づけられています。こちらも併せて読むと、どう生きていくのが幸せにつながるかの1つの解を得ることができます。テイカーの見極め方、報われていギバーの考え方等も知ることができるので、興味があれば是非チェックしてみてください。

 

 

幸福に生きるための本のレビュー記事も書いています^^

www.kousokutairyoinfo.com

 

 

それでは今回はこのへんで。

デビっちんでした♪