「幸せになるために努力しているのに、いつまでたっても幸せになっているのを感じられない……。」
と感じている人はいないでしょうか?
また、欲しい物を手に入れ目標を達成できていても、何か満たされない……。
と感じてはいませんか?
そんな悩みを抱えている人向けの本があります。
KTK(高速大量回転)法の実践家デビっちんです。
今回お伝えするのは『幸福の意外な正体』という本で、上記の悩みについてはもちろん、
そもそも幸せって何なのか?
幸福ってどういうこと?
そして、心理学を用いて暴きだした、幸福が持つ本来の特性がわかります。
興味があれば、是非チェックしてみてください!
【幸福の意外な正体】ってこんな本です。
最初にサラッと全体を読んで思ったのは、監訳者である金森氏の帯に書いてある一言がすべてだと感じました。
答えのキーワードは「錯覚」にあった!
出典:『幸福の意外な正体』 帯 監訳:金森重樹
錯覚を簡単に説明すると、感覚器に異常がないのにもかかわらず、実際とは異なる知覚を得てしまう現象のことです。
注意深く観察しても、予備知識があっても生じてしまう、人間の感覚・知覚特性によって作り出される現象を心理学をベースに解明しています。
いくら稼いでもまだまだ満足できない、むしろもっと欲しいという状態が続く人は、本書を読むと価値観が変わるかもしれません。
逆に、これから成功したいたくさん稼ぎたいと思っている人が読むと、幸福という幻想を求めてツライ努力を回避できるようになると思います。
なぜなら、幸せの定義というよりも、幸せを求めて行動することそのものが錯覚だったとわかるからです。
全体の構成としては、幸せについての定義から始まり、幸せになれない理由、幸せについての性格や脳、感情の影響、最後に幸せとどう関わっていくべきかが解説されていました。
それでは概要はこれくらいにして、デビっちんが感銘を受けた部分3つに絞って紹介します。
今回、本当に多くの部分に付箋を貼り付けてしまったので、どう3つに絞ろうかかなり悩みました…。
【幸福の意外な正体】感銘を受けて行動が変わった3つの表現
幸福という錯覚は、人を行動し続けさせるためのプログラム
この世に完璧な人生などあるわけがなく、無上の幸福など人生の設計図に載っていません。いかなる時代であれ場所であれ集団であれ、完璧な幸福を標榜するものはいっさい信用してはならないし、ユートピア的な発想はまず疑ってかかるべきです。
出典:『幸福の意外な正体』P.116 著:ダニエル・ネトル
私たちはつねに、幸福への思い込みのせいで、地位財をたくさん蓄えれば(見えを張って他人と同じようにすれば)、いつかは幸せになれるはずだと考えますが、客観的にいって、それはあり得ません。
出典:『幸福の意外な正体』P.146 著:ダニエル・ネトル
幸福は絶対的なものではなく、他者との比較の上で実感できるものとあります。
どんなに裕福になっても、確固たる幸福状態に到達することはできないですし、どんな幸せも「あたりまえ」になっていくことが解説されています。
つまり、達成感を味わってもすぐに既定値に戻ってしまうのです。
少なくとも一握りの心理学者たちが、環境と幸福をめぐるデータから導いた結論は、「何が起きても実はあまり変わらない」というものでした。人にはあらかじめ幸福のレベルが決まっていて、何をやろうと、何を得ようと、結局はまたそこにへ戻るというのです。
出典:『幸福の意外な正体』P.144 著:ダニエル・ネトル
また、そもそも幸福を求める脳の働きと、それを得て喜ぶ脳の働きは別とのことです。
つまり、あるものへの「欲望」をつかさどるメカニズムと、手に入ったものを「好きだと思う感覚(快感)」をつかさどるメカニズムは、まったく別物なのです。何かを強く求めていながら、それが手に入ると、ほとんど、あるいはまったく喜びを感じないということもあり得るのです。
出典:『幸福の意外な正体』P.192 著:ダニエル・ネトル
釣った魚には餌をあげない○○って言う表現が恋愛でありますが、魚を釣るまでが面白くて、釣ったあとは喜びを感じないのは脳の働きからなんですね。
人間の脳に組み込まれた幸福プログラムの目的とは、人間をより幸せにすることではなく、幸福になるための努力を続けさせることにあるからです。
出典:『幸福の意外な正体』P.189 著:ダニエル・ネトル
さらに、幸せになりたいという欲望はそもそもの脳のプログラムとして人間に備わってしまっているようです。
その対処法についても言及されていまして、最良の方法は、
「完璧な幸福など到達不可能で、かつ、唯一の大切な目標でもない」
と気づくこと。
という何とも身も蓋もない話でした。
自身を振り返ってみると、デビっちんは本が好きで、読んでみたい本が絶版だとオークションサイトなどを調べています。
絶版の本が安値で買えたときは、もうこの本を何回も読めばいいんだよね!と嬉しい気持ちになるのですが、しばらくするとまた別の本を読んでみたくなるという始末です。
まさに、欲望と快楽は別、幸福感は既定値に戻るという内容です。
本を買いたくなったら、幸福を求めて脳の司令に従っているだけではないか?と一歩立ち止まるようになりました。
まー、それでも本は買っちゃいますけどね(苦笑)たぶん。
幸福度の自己評価と健康の関係
自伝文の中でよりポジティブな感情を表現していた、上から25パーセントのグループのうち9割が、85歳になっても健在でした。
逆にポジティブな感情表現に乏しかった25パーセントは、85歳まで生きた人が34パーセントしかいませんでした。
出典:『幸福の意外な正体』P.121 著:ダニエル・ネトル
自分で幸福度が高いと感じている人の方が、長生きできるという内容です。
ここで注目したいのては、上記の内容は、同じような食生活、行動様式、結婚・出産歴を持つ修道女を対象にした調査結果であることです。
ポジティブでないだけでなく、ネガティブだとさらに悪いことに不幸を生み出すことにもなるとのこと。
恐れ、心配、悲しみ、怒り、罪悪感、羞恥心といったネガティブ感情は、度を越すと、不幸をつくり出す原因になります。
出典:『幸福の意外な正体』P.217 著:ダニエル・ネトル
ポジティブが100%いいかどうかは別にして、なるべくポジティブに生きようと思うようになりました。
ネガティブが厄介なのは、その即効性です。
ネガティブ感情のほうがポジティブ感情よりも切迫しており、より総合的に意識を集中しなければならないものです。
さらに、同程度の強さのポジティブ感情より、はるかに長い時間ネガティブ感情は持続してしまいます。
本書では、意図的ににポジティブな感情を増やすようにする「快行動トレーニング」が紹介されていました。
失敗や挫折が幸福感を高める
深い満足感を得たいと思うなら、失敗や挫折の可能性もすべて受け入れる必要があるのです。
出典:『幸福の意外な正体』P.253 著:ダニエル・ネトル
この表現から、記憶も一緒であることを思い出しました。
何度も忘れて、悔しい思いや悲しい思いをしたことの方が、長期的には記憶として残ります。
何でも共通なんですねー。
失敗や挫折はなるべく避けたいものとしてのイメージがありましたが、より幸福感を味わうためのスパイスなんだと印象が変わりました。
おわりに
近づけば近づくほど逃げていってしまうもの
出典:『幸福の意外な正体』P.36 著:ダニエル・ネトル
幸せになるために努力することが、幸せになるための近道、だと感じていたのは錯覚だったことに、かなりショックを受けました。
努力して努力して、幸せを掴んで嬉しい気持ちになるのは一時的で、やがてその幸福感にも慣れ、また別の幸せを求めて行動を強いられるようにプログラムされているのが人間です。
幸福を求めることが進化のプログラムによって想像された幻のルートだったのであれば、逆のアプローチをすることで、本当の幸せに気づくことができると感じました。
今ある生活から何か一つずつ欠けていくことを想像すると、今の自分が満たされていていることを実感できると思います。
そう考え始めたら、めいっぱい努力する必要がないことに気づきました。
その他、今回ご紹介できませんでしたが、以下の内容についても得るものが多くありました。
- 三つのレベルで幸福を区別する
- 自分を不幸に見せたい人はいない
- 女性と男性では、幸福感が違う
- 結婚生活が幸福感に及ぼす影響
- 位置心理学から見た幸せの思い込み
- 幸せの感じ方は遺伝する
- 幸せを感じやすい人の性格
- 性格が生活を変えていく
- 幸せになれる薬
- 快感をつかさどるメカニズム
- 性格は遺伝子に左右される
- 幸せのために何をすべきか
- 幸福感は変わっていく
本書に興味を持った人は、以下の幸せについての本も読んでみてください。
「幸せ」について知っておきたい5つのこと NHK「幸福学」白熱教室
最初の方に「幸福度」を見える化する質問があって、幸福度が点数として出るので客観的に現状認識できます。その上でどう行動していけば幸せになれるかがわかります。
実は、タイトルに反して5つ以上の大切なことが記載されていてお得です^^
幸福の習慣
たった5つの要素に注目するだけで、幸福に向けた一歩を踏み出すことができるようになります^^
今回ご紹介した本を含め、3冊に共通することを見つけることができれば、それこそが確度の高い幸せになるための要素になると思います。
是非、ご自身の手で見つけ出してみてくださいね^_^
それでは今回はこのへんで。
デビっちんでした♪