KTK法では、長文だったり複雑な文章で読む気がしないとき「ざっくり主語とか述語を見つけるように読むといい」、と聞いたよ。
うん!そうだね。 内容はともかく構造だけでも読もうとすると止まらずに回転できるよ。
でも、それだけじゃないんだ。
え!?「構造を読む」って、他にもあるの?
KTK(高速大量回転)法実践家のデビっちんです。
KTK(高速大量回転)法についてはこちらで記事にしています。
知っている人も読んでみてください!
今回、KTK(高速大量回転)法における、構造を読むことについて説明していきます。
構造を読むとは、論理の流れを活用して読むことです。論理の流れを教えてくれる接続詞を確認し、ざっと読む時に意識しておきたい3つの関係を解説します。最後に論理力を養うための2冊の本を紹介しますので、興味があれば是非チェックして実践してみてください!
本文の構造を教えてくれる4つの論理の流れ
本文読みの際、構造だけでも読んで読みようというときは、まずは大きく次の4つの論理の流れを意識しましょう。
前文と後文の結びつく関係がわかれば、グッと読みやすくなります。
①同格 | 前文と後文を対等に結ぶ接続関係
前文と後文とを対等に結ぶ接続のしかたです。
「=」の関係です。
同じ内容を別の言葉で表す時に使う接続詞なので、著者が言いたいことが書かれていることが多いです。
換言、要約、詳述の3つが代表的なものです。
換言
換言すれば、言いかえると
要約
つまり、要するに、ともあれ、とにかく
詳述
すなわち
②補足 | 前文の内容を補足・補強する接続関係
前文の内容を補強するための理由や事例を接続する関係です。
補足の前文が著者の言いたいことです。
大きく、理由と例の2つがあります。
原因・理由 | 前文の内容の理由や根拠を明らかにする
なぜなら、そのわけは、というのは
著者が伝えたい前文の内容を補強する接続詞です。
なぜそう言えるのかを解説する部分で、この接続詞がないと説得力に欠けます。
例示・比喩 | 例をあげ説明する
たとえば、例を挙げると、いわば
抽象的な内容を具体的な内容に置き換えるための接続詞です。
いくつかの事物に共通なものを抜き出して、それを一般化すること
はっきりとした実体を表現したり、個々の事物を表すこと
例示・比喩の前の文章(抽象的な内容)が理解できれば、具体例を読まなくても内容はわかりますし、その方が文章を速く読めます。
例や比喩は読み飛ばしてOKですが、何の例か、何のための具体例や比喩をだしてきたかの存在理由は考えましょう。
逆に「例えば」の前の文章がよくわからない場合は、具体例をヒントに著者の伝えたいことを推理しましょう。
③転換 | 話題を変える接続関係
今まで話しの流れをまったく違うものに変える接続関係です。
転換の接続関係が出てきたら、今までの流れが一度とぎれます。
転換
さて、ところで、そもそも、いったい、ときに、ともあれ、とにかく、それはともかく、つぎに
④展開
前文の内容を転回したり発展させたりする論理の流れです。
逆説 | 反対の内容へ
しかし、けれども、が、だが、ところが、にもかかわらず、だからといって、とはいえ、
今までの流れと主張の方向が反対になるときに使う接続関係です。
逆説の後が著者の言いたいことです。
逆説の後は著者の言いたいことを補強するための理由や例が続くことが多いです。
一見矛盾したり、真理に反するように見えますが、よく考えてみると真理であるような意見や、表現のこと。
例えば、ゆっくり・じっくり読んだ方が理解も記憶も進みがちと思われている。しかし、速く読んだ方が理解も記憶も進む。なぜなら、ゆっくり・じっくり読んでいると読んだ内容はドンドン忘れてしまうし、
順接 | 前文の内容をそのまま受けて、つないでゆく
そこで、そうして、そして、それから
伝えたい主張の方向が同じあることを表す接続関係です。
順接 | 前文の内容から結果を導いたり、発展させたりする
だから、したがって、ゆえに、そこで、それで、それゆえ、そのため、こうして、すると
結果を導いたり、発展させたりする接続詞の後が著者の言いたいことになります。
また、近くに「同格」を見つけるように意識して文章を追っていきましょう。
大事なことは言葉を変えてくり返し説明したいからです!
添加 | 前文の内容に新たな内容をつけ加える
さらに、そのうえ、のみならず、そのほか、そして、なお、しかも
前文の内容に新たな要素が加わり内容を補足します。
選択 | 前後のどちらを選んでもよいことを示す
または、あるいは、もしくは
選択肢が増えるイメージです。
並列 | 前後の内容を対等に並べる
また、かつ、同様に、並びに、および
同じ位置づけの要素が加わります。
対比 | 前後の内容を照らし合わせる
むしろ、逆に、さもなければ、
前文と後文を対比させます。
限定 | 条件・例外を示す
ただし、もっとも、なお
前文の内容に制限を加えます。
本文をざっと読む時に意識したい3つの関係
接続詞から論理の流れが意識できたところで、本文をざっくりと読む時は以下の3つの関係を意識して読んでみましょう。
- 相似関係 | A=A'
- 因果関係 | A→B
- 対立関係 | A←→B
3つの関係を意識することで、著者が伝えたいことを見つけやすくなります。
伝えたいことを大きく把握してから、次の回転で細かいところを読んでいけばOKです。
相似関係 | A=A'
相似関係は、言い換えの関係のことです。
著者が伝えたいことは言葉を変えてくり返し記載されますので、同格(前文と後文を対等に結ぶ接続関係)や例示や比喩の接続詞に注目しましょう。
つまり、要するに、すなわち
これらが出てきたら、伝えたいことを別の言葉に置き換えて説明している合図です。
因果関係 | A→B
因果関係は理由と結果を表す関係です。
Aなので、Bである。
Bという伝えたいことに対し、Aという理由を添え説得力を持たせる関係です。
伝えたいことがあれば、その理由も記載されていなと説得力に欠けます。
B←Aのパターンもあります。
Bだ。なぜならばAだから。
こちらは本を読んでいると頻繁に目にするパターンです。
接続詞のところで説明した、原因・理由を補足する関係、 前文の内容から結果を導いたり、発展させたりする結びつきの部分です。
A→Bパターン
~であるので、~だから、~のため、
B←Aパターン
なぜなら~だから、というのは~だから
理由がセットになっていたら著者が伝えたい部分である確率が高いところなので、ざっと読む中でもチェックできるようにしましょう。
対立関係 | A←→B
Aではなく、Bだ。
Bという伝えたいことに対し、別のAを引き合いにだして説得力を持たせる関係です。
例えば、こんな感じです。
野球よりもサッカーが好きだ。
単純にサッカーが好きだというよりも、野球を引き合いに出すことで好き度合いが上がります。
真逆の考えがあれば、そのどちらかが伝えたいことです。
論理展開力を養う本
細かくつきつめると論理展開や接続詞はまだまだあります。
より深く文章の論理構造を意識したい人は以下の本を読んでみてください。
論理トレーニング101題
何気なく読んだら読めてしまう文も、問題の答えを探しながら集中してやると脳汁ぶしゃーってなりました。それだけ普段から言葉のつながりに意識を向けずに読んでいたことを思い知らされます。
文章の骨格を捉えるには、主張の方向性に加えて、その軽重に敏感になることが印象に残っています。読むのはもちろん、文章を書くときにも役立つ力がつくと思います。
ガチガチの論理問題で堅苦しいけど、実力がつきます!
大人のための国語ゼミ
上の本よりも読みやすく、平易に論理を伝えてくれています。ゼミとあるように学校の授業を受けるような感じです。言葉の背後にあるモノが大事ということが解説されていて、それをとらえることで何が大事かがわかりやすくなります。
接続詞や文章の要約などの説明から始まり、文章の論理展開を捉える方法を解説しくれています。終盤では相手の論理展開に則った質問方法や反論方法に言及されていて、読解力だけでなくコミュニケーション力が向上する内容です。例題&解説も丁寧でした。
おわりに | 論理の流れがわかると本が読みやすくなる
構造を読むとは、論理の流れを活用して読むことです。
論理の流れを教えてくれる接続詞を知っていれば、どこに力を入れて読めばいいかわかるようになるので読むのが楽になります。
ざっと読む時に意識しておきたい3つの関係もお伝えしました。
- 相似関係 | A=A'
- 因果関係 | A→B
- 対立関係 | A←→B
KTK(高速大量回転)法でお馴染みの「全体像の把握」に、論理の流れ組み合わせることで本文読みが楽になります。
構造を瞬時にとらえることができれば、
・具体例だけ回転する
・抽象的な部分だけ回転する
といった読み方も気軽にできるようになり、ストックの変化が幅広くなります。
また、論理の力はビジネス文章でも役立つので、今まで使ってこなかった人はこの機会に学んでみてください^^
それでは今回はこのへんで。
デビっちんでした♪